税制・制度の最新変化を、高所得会社員の意思決定に落とし込む

TEKO編集部

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内資系製薬→M&A仲介→外資系製薬
「本業+α」を提唱
本業×複業の掛け算によってキャリア・人生にレバレッジを
不動産投資(不動産賃貸業)
海外輸出物販

年収が上がるほど税制の影響は大きくなる。にもかかわらず、制度改正のニュースを「自分ごと」として意思決定に落とし込んでいる会社員は多くない。新NISAの拡充、不動産投資における税務上の扱い、退職金課税の見直し議論――これらはすべて、高所得会社員の手取りと将来設計を直接左右する論点だ。

なぜ今この論点を見るべきか

2024年に始まった新NISA制度は定着しつつあるが、高所得層にとっては「非課税枠の上限にすぐ届いてしまう」問題がある。年間投資枠360万円、生涯投資枠1,800万円は大きな数字に見えても、年収1,000万円超の層が本格的に資産を積み上げるには足りない。その先の資金をどこに振り向けるかが、税引後リターンに直結する。

一方で、退職金課税の見直し議論は依然として続いている。勤続年数に応じた退職所得控除が縮小される可能性がある以上、「退職金を当てにした人生設計」のリスクは以前より高まっている。退職後に退職金で旅行三昧の生活を計画しても、手取りが想定より少なければ計画は成り立たない。

読者の判断軸

高所得会社員が税制・制度変化に向き合うとき、まず整理すべきは「自分の課税構造」だ。

給与所得だけの人と、不動産所得や副業所得がある人では、同じ制度改正でも影響の方向が変わる。たとえば不動産投資をREITで行う場合と現物で行う場合では、損益通算の可否、減価償却の活用余地、譲渡益課税の扱いが異なる。REITは配当課税(約20%)で完結するが、現物不動産は減価償却で所得を圧縮しつつ、売却時に譲渡所得税が課される。どちらが「得か」ではなく、自分の所得構造と出口戦略に合うのはどちらかを考える必要がある。

もう一つの判断軸は「制度リスクの時間軸」だ。税制は政権交代や財政状況で変わる。今の制度が有利だからといって、10年後も同じ前提で成り立つとは限らない。特に高所得層を対象にした課税強化は政治的に通りやすいため、制度変更への備えを複数のシナリオで持っておくことが重要になる。

TEKO視点

TEKOのコミュニティでは、本業で高い給与を得ながら不動産コースや海外輸出を通じて収入源を複線化している会社員が多い。税制・制度の変化に対してTEKOが重視しているのは、「制度を使い倒す」ことよりも、「制度が変わっても揺るがない資産構造をつくる」ことだ。

給与所得一本に依存する設計は、退職金課税の見直しや社会保険料の上限引き上げといった制度変更のたびに計画が揺らぐ。複数の所得源を持つことで、一つの制度変更の影響を全体に分散できる。これは節税テクニックの話ではなく、構造としての耐久性の話だ。

実務上の注意点

税制を意思決定に組み込む際に、よくある落とし穴を三つ挙げる。

第一に、**「節税」が目的化すること**。不動産投資を減価償却目的だけで始めると、物件の実質利回りが低くても気づきにくい。節税額より物件の収益力を先に見るべきだ。

第二に、**情報源の偏り**。税理士に相談するのは正しいが、税理士は原則として「合法な範囲での最適化」を助言する立場であり、資産全体のポートフォリオ設計までは見てくれないことが多い。税務と資産設計の助言は、別の専門性として分けて考える必要がある。

第三に、**住民税・社会保険料の見落とし**。副業所得が増えると翌年の住民税に反映され、場合によっては会社の給与天引きで副業が発覚する。確定申告時の「住民税の徴収方法」の選択は、副業を進める会社員にとって実務上の必須チェック項目だ。

次の行動

まず、自分の直近の源泉徴収票と確定申告書を手元に出し、「課税所得」と「実効税率」を把握することから始めてほしい。自分が何%の税率で働いているかを知らなければ、どの制度変更が自分に影響するかの判断もできない。

その上で、新NISAの枠を超える投資資金をどこに振り向けるか、退職金課税が変わった場合の影響はどの程度かを、数字で一度シミュレーションしてみる。漠然とした不安は、数字に落とした瞬間に「判断可能な論点」へ変わる。

制度は変わり続ける。だからこそ、制度に依存しない構造を、制度が有利なうちに作っておくことが合理的だ。

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