「薬剤師よりMRの方が投資価値が高い」年収1050万30代外資製薬MR職しおさんが語る安定×挑戦の両立戦略とは?
しおさん
海外輸出コース2期生
薬剤師免許を「投資」と捉えた、少数派のキャリア設計
しおさんが薬学部に進んだのは、裕福とは言えない家庭環境のなかで「年収600万で父親を超える」という明確な目標があったからだ。薬剤師免許を取れば安定収入は見込める。だが在学中に気づいたのは、薬剤師の年収は初年度こそ600〜700万に届くものの、そこから先の伸びしろがほとんどないという現実だった。同級生の大半が薬剤師の道を選ぶなか、しおさんはわずか5%の少数派としてMRへの就活に踏み切る。教授からは「なぜ薬剤師になれるのに就活するのか」と邪道扱いされたが、薬の知識を土台に営業スキルへ集中できるMRのほうが投資効率は高い。ROI思考が、この選択を支えていた。
2016年に外資系製薬企業へ入社し、以来転職はしていない。現在34歳で年収は約1020万円。転職で上を目指す余地はあるが、完全に自由な働き方を任されノルマ未達もほとんどない今の環境は、しおさんにとって「ベストフィット」だ。薬剤も働き方も自分に合っている。その居心地のよさを手放さないことが、次に語る副業戦略の土台になっている。
「ぬる湯」を利用する人生を選んだ理由
中学時代の友人が美容師や飲食店で開業し、それなりに稼いでいる姿を見るたびに、しおさんのなかには「自分も同じ環境で挑戦していたら競えたのではないか」という葛藤が生まれていた。起業への憧れは消えない。だが家庭——妻と1歳の子供——ができてからは「丸くなった」と自覚している。子供の機嫌が奥さんのストレスに変わり、そのストレスがすべて自分に来る。本業でまで消耗するわけにはいかない。だからこそ、今の安定した環境を「ぬる湯」として意図的に利用する道を選んだ。
その代わりに副業がある。しおさんはこの構造を「折り合い」と呼ぶ。起業したい自分と、安定を手放せない自分のあいだで、副業という選択肢をずっと頭に入れたまま働いてきた。自分を納得させるための戦略であり、2019年頃から実際に動き始めた。本業はストレスなく安定させ、副業で可能性に挑む。この二段構えが、しおさんのキャリア設計の核にある。
停滞を打破するために選んだ「環境」という投資
2024年、子供が1歳、引っ越しと異動が重なる多忙期にTEKOへの入会を決めた。普通なら見送る時期だが、しおさんの判断は逆だった。自分の事業が停滞しているいま動かなければ、1年後に始めたところで失われた1年は戻らない。初期投資の金額よりも「情報を得ないまま過ごす1年」のほうが損失は大きい。5年間ひとりで副業を続けてきた経験から、新しい情報をフィードバックし合える環境がなければ事業は死ぬと実感していた。
入会の決め手は3つある。第一に、成長している人物の背中を追いかけることで同じステージに立てるという信念。自分は守りに入りやすいタイプだからこそ、最低でも環境だけは揃えたい。第二に、海外輸出という新しいルートの獲得。第三に、長期的に情報交換できる仲間の存在だ。副業はライフワークであり、1〜2年の収益ではなく5年10年の持続性が問われる。その持続性を支えるのが、環境への投資だった。
逆算で設計した月200万、年間500万という成果
入会直後はアカウントサスペンドからのスタートとなり、実質的な活動は10月頃から。月5〜10万円の時期を経て、3月に20万円、6〜7月に40〜70万円と推移し、8月に月商200万円を達成した。だがこの数字は偶然ではない。しおさんはピークの時期を事前に設定し、1ヶ月前から逆算して動いていた。その後4ヶ月は家庭のイベントと完済を見込んで意図的にペースを落とし、月10〜20万円に。年間トータルで約500万円、月平均にならせば40万円超という結果を、計画通りに着地させた。
もっと稼いでいる人はいる。だがしおさんは比較に意味を見出さない。「自分の満足の閾値を知っている人間のほうが幸福度は高い」というのが、副業5年で到達した考え方だ。数字に振り回されず、年間500万円という自分の基準を満たしたことに納得している。満足して楽にできることが幸せだと語る姿勢には、ROI思考の延長線上の価値観がにじんでいる。
サラリーマン脳と事業者脳の「ハイブリッド」で見えたもの
5年の副業経験を通じて、しおさんは自身を「サラリーマン脳と事業者脳のハーフハーフ」と表現する。コミュニティの重要性、最新情報へのキャッチアップ環境、人脈の新陳代謝——こうした事業者的な思考は、ひとりで副業を続けるなかで体得してきたものだ。TEKOで最も印象に残ったのは「攻め」の姿勢だった。自分は階段を一段ずつ登るタイプだが、コミュニティのメンバーは「とりあえずやってみる」で失敗しながら高速でサイクルを回している。その差が成長スピードの差であり、自分に足りない要素だと客観的に認めている。
副業にまだ踏み出せていない人へのメッセージは明快だった。まず「人」を信用できるかどうか。手法や商材が稼げるかはやってみなければわからないが、信頼できる人物がいれば一歩を踏み出せる。そしてスモールスタート。5000円を1回稼げたら、月に10回で5万円という逆算ができる。小さく始めて検証し、大きくしたくなったらコミュニティに入ればいい。その判断は自分でしてほしい、と付け加えたうえで「信用できる方だと私は思います」と静かに言い切った。
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