アスリート セカンドキャリアで年収1000万超を狙う戦略とは

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TEKO編集部

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「本業+α」を提唱
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技を引退した後、多くのアスリートが「自分の市場価値がわからない」という壁にぶつかる。コーチ、スポーツ関連企業への就職——そうした”アスリート枠”に収まろうとする選択が、実は年収の天井を自ら低く設定してしまっている。

株式会社リィが2024年に始動させた「アスリート・インパクト採用」は、そのパラダイムを真正面から崩しにきた。年収1,000万円超を前提とした幹部候補採用は、元アスリートのキャリア設計に新しい選択肢を提示している。

この記事では、なぜ今アスリートの市場価値が再評価されているのか、そしてセカンドキャリアを「年収の最大化」と「資産形成の加速」という2軸で設計するための考え方を掘り下げる。

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01なぜ今、アスリートの「人的資本」が再評価されているのか

元アスリートが持つスキルは、ビジネス現場で「即戦力の幹部素材」として通用する。その理由は、競技で鍛えた能力の構造にある。

スポーツ庁の「スポーツ人材育成・活用に関する調査研究」(2022年)によると、企業がアスリートに期待するスキルの上位3項目は「目標達成力(87.3%)」「チームワーク(82.1%)」「逆境への耐性(74.6%)」だった。これらはいずれも、中間管理職や幹部候補に求められる資質と重なる。

一方で、同調査では元アスリートの平均初年度年収は約450万円にとどまっており、スキルの市場評価と実際の報酬の間には大きなギャップが存在する。この乖離こそが、「アスリート・インパクト採用」のような取り組みが生まれた背景だ。

「スポーツ枠」という天井を外す

従来のアスリートの就職市場は、スポーツ用品メーカー、スポーツ施設運営、コーチング——といった「競技の延長線上」に集中していた。しかしこれらの業種は、構造的に年収の上限が低い。

スポーツ庁の統計では、スポーツ産業全体の平均年収は約390万円2021年度)。一方、総合商社や外資系コンサルの幹部層の平均年収は1,500万〜3,000万円を超える。

「競技の延長」ではなく「競技で培った能力の横展開」という発想の転換が、年収の桁を変える。

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02株式会社リィの「アスリート・インパクト採用」が示すもの

年収1,000万超を前提とした幹部採用は、採用市場においてまだ珍しい。その意味を正確に理解しておきたい。

株式会社リィが打ち出した「アスリート・インパクト採用」の特徴は、競技歴を「即戦力の証明」として評価する点にある。単なる「元アスリート歓迎」ではなく、幹部候補として処遇することを採用設計の前提に置いている。

この採用モデルが注目に値するのは、給与水準だけではない。

1
前提年収の設定
採用時点から年収1,000万円超を保証する設計により、キャリアの「立ち上がり期」における収入ロスを最小化できる
2
幹部ポジションへの直接配置
中間管理職を経由せず、意思決定層に近い場所から経験を積める
3
ビジネス文脈での再学習機会
競技で培ったPDCAや目標管理の思考を、企業経営の文脈に翻訳する機会が与えられる
4
資産形成の加速
高い基本給は、iDeCoやNISAへの積立余力を大きく広げる
5
次のキャリアへの足がかり
幹部経験は、独立・起業・別の幹部採用への「実績」として機能する

特に4番目の「資産形成の加速」は、キャリア戦略と資産戦略の交差点として見落とされがちだ。年収が上がるほど、投資に回せる余剰資金の絶対額が増える。この複利効果は、キャリアの早い段階で高年収を確保することで最大化される。

03人的資本と金融資本——2つの資産を同時に育てる設計

ここで、資産形成の観点から「年収1,000万超のセカンドキャリア」の意味を数値で確認しておこう。

前提条件
前提: 35歳・元アスリート、年収1,000万円(手取り約700万円)、月額積立投資を手取りの20%に設定
計算式
計算:
月間投資額 = 700万円 ÷ 12ヶ月 × 20% = 約11.7万円
NISAつみたて投資枠(年間120万円)をフル活用
残り約20万円/年をiDeCo・特定口座等に配分
年利5%30年運用した場合の試算(金融庁「つみたてNISAシミュレーション」参考):
11.7万円 × 12ヶ月 × 年利5% × 30年 = 約9,700万円(概算)
結果
結果: 35歳から65歳までの30年間で、投資元本約4,200万円が約9,700万円に成長する試算。年収1,000万超のキャリアスタートが、金融資産の最終到達点を大きく引き上げる。

この計算が示すのは、「いつ高年収を得るか」がきわめて重要だということだ。

同じ投資額でも、30歳から始めるのと45歳から始めるのでは、複利が働く期間が15年違う。アスリートの引退年齢が一般的に25〜35歳であることを考えると、セカンドキャリアの初動で年収の天井を高く設定できるかどうかが、生涯資産の規模を左右する。

※税務・投資判断は税理士・ファイナンシャルプランナーにご確認ください。

04年収1,000万超を実現するための「スキル翻訳」戦略

アスリートとしての能力をビジネス語に変換する——これがセカンドキャリアの核心だ。

採用市場で評価される「アスリート的能力」と、企業が求めるビジネス能力の対応関係を整理しておく。

アスリートとしての能力 / ビジネス文脈での言語化 / 評価されやすい職種 比較
アスリートとしての能力 ビジネス文脈での言語化 評価されやすい職種
目標から逆算した練習計画 KPIマネジメント・OKR設計 事業企画・経営企画
試合中の瞬時の判断 不確実性下での意思決定 経営幹部・PM
チームの士気管理 組織マネジメント・エンゲージメント向上 人事・CHO
敗因分析と改善サイクル PDCA・データドリブン改善 マーケティング・営業企画
極限状態でのパフォーマンス維持 高圧環境でのデリバリー コンサルティング・M&A
コーチとの信頼関係構築 ステークホルダーマネジメント 事業開発・IR
目標から逆算した練習計画
ビジネス文脈での言語化KPIマネジメント・OKR設計
評価されやすい職種事業企画・経営企画
試合中の瞬時の判断
ビジネス文脈での言語化不確実性下での意思決定
評価されやすい職種経営幹部・PM
チームの士気管理
ビジネス文脈での言語化組織マネジメント・エンゲージメント向上
評価されやすい職種人事・CHO
敗因分析と改善サイクル
ビジネス文脈での言語化PDCA・データドリブン改善
評価されやすい職種マーケティング・営業企画
極限状態でのパフォーマンス維持
ビジネス文脈での言語化高圧環境でのデリバリー
評価されやすい職種コンサルティング・M&A
コーチとの信頼関係構築
ビジネス文脈での言語化ステークホルダーマネジメント
評価されやすい職種事業開発・IR

この表を見ると、元アスリートが持つ能力は特定の「スポーツ職種」にしか通用しないわけではないとわかる。むしろ、経営に近いポジションほど「アスリート的思考」との親和性が高い。

「翻訳」に必要な3つのステップ

スキルの言語化は、自己分析だけでは難しい。客観的なフィードバックを受ける機会を意図的につくることが重要だ。

1
競技実績の「ビジネス語」への変換
「全国大会優勝」ではなく「1,000人超の競合の中で成果を出した実績」と表現する。数値化・比率化が鍵
2
ビジネス基礎知識の補強
財務3表の読み方、マーケティングの基本フレームワーク(3C・STP等)を3〜6ヶ月で習得する
3
業界・企業研究の深化
志望企業のビジネスモデルと自分のスキルの接点を具体的に言語化し、面接で「即戦力感」を演出する

05ケーススタディ:32歳・元プロバスケットボール選手の場合

具体的なイメージをつかむために、一つの事例を紹介する。

Aさん(32歳・男性)

  • 競技歴:Bリーグ所属、10年間のプロ選手経験
  • 引退理由:膝のケガによる競技継続困難
  • 引退直後の年収:コーチ職で年収380万円
  • 転職後:スタートアップ企業の事業開発マネージャーとして採用、年収850万円
  • 現在(転職2年後):同社の執行役員に昇格、年収1,200万円

Aさんが転職で評価されたのは「バスケ経験」そのものではなかった。チームのオフェンス戦術を設計し、相手の弱点を分析してゲームプランを立てるプロセスが、「市場分析→戦略立案→実行→改善」というビジネスの基本サイクルと完全に一致していたことが評価ポイントだった。

面接では「自分たちのチームの強みと弱みを分析し、相手チームに合わせて戦術を変える。これは御社の競合分析と新規事業開発に同じプロセスで応用できます」と説明したという。

この「プロセスの翻訳」が、採用担当者に「即戦力感」を与えた。

重要なのは、Aさんが転職後の2年間で年収を約1.4倍に伸ばしたことだ。幹部ポジションへの配置が、次の昇給・昇格のサイクルを加速させた。

06資産形成の観点から見た「キャリア選択」の本質

年収1,000万超のセカンドキャリアを、単なる「収入アップ」として捉えると本質を見誤る。

資産形成の文脈では、年収はあくまで「インプット」だ。重要なのは、そのインプットをどう資産に変換するか、という設計だ。

金融庁の「資産運用シミュレーション」データによると、月10万円を年利4%20年間積み立てた場合の資産額は約3,670万円。同じ期間、月15万円(年収が約600万円増えた場合の追加積立余力)で積み立てると約5,500万円になる。差額は約1,830万円——これが「キャリアの選択」が生む資産差だ。

ハイキャリア層が陥りやすい行動経済学の罠

年収が上がると、支出も比例して膨らむ傾向がある。行動経済学でいう「ライフスタイル・インフレーション」だ。

年収1,000万超を達成した途端に、住居費・外食費・旅行費が跳ね上がり、可処分所得が増えないまま年収だけが上がるパターンは、ハイキャリア層に意外に多い。

対策はシンプルだ。

1
先取り積立の自動化
給与振込日の翌日に、投資口座への自動振替を設定する。「余ったら投資」ではなく「投資した残りで生活する」設計にする
2
支出の構造分類
固定費・変動費・投資の3カテゴリに支出を分け、投資比率を月収の20〜25%に固定する
3
年収アップ分の用途を事前決定
昇給・ボーナスが確定した時点で、増加分の配分(投資:生活費:貯蓄)を決めておく

多忙なビジネスパーソンほど、資産管理の「自動化」が重要になる。判断コストをゼロにすることで、本業に集中しながら資産を積み上げる仕組みが完成する。

07「最初の1社」の選択が、その後10年を決める

セカンドキャリアの初動で「幹部候補枠」を獲得できるかどうかは、その後のキャリアの軌道を大きく変える。

採用市場では、「前職のポジション」が次の採用の基準になりやすい。一般職からスタートすると、幹部ポジションへのステップアップに5〜10年かかるケースが多い。一方、最初から幹部候補として採用された場合、3〜5年で執行役員・取締役クラスに到達する事例も珍しくない。

株式会社リィの「アスリート・インパクト採用」のような取り組みが持つ意味は、この「初動のポジション」を高く設定できる点にある。年収1,000万超という水準は、単に収入の問題ではなく、「どのレイヤーのビジネスパーソンとして市場に登録されるか」という問題でもある。

採用パターン / 初年度年収 / 5年後の想定年収 / 幹部到達までの期間 比較
採用パターン 初年度年収 5年後の想定年収 幹部到達までの期間
一般職採用(スポーツ関連) 350〜450万円 450〜600万円 10〜15年以上
中途採用(一般職) 500〜700万円 700〜900万円 7〜10年
幹部候補採用(リィ型) 1,000万円 1,200〜1,800万円 3〜5年
一般職採用(スポーツ関連)
初年度年収350〜450万円
5年後の想定年収450〜600万円
幹部到達までの期間10〜15年以上
中途採用(一般職)
初年度年収500〜700万円
5年後の想定年収700〜900万円
幹部到達までの期間7〜10年
幹部候補採用(リィ型)
初年度年収1,000万円
5年後の想定年収1,200〜1,800万円
幹部到達までの期間3〜5年

この差は、時間の問題であり、資産形成の問題でもある。5年間の年収差が積み立て投資に与える影響は、先述の計算通り数千万円規模になりうる。

08まとめ:人的資本を最大化してから、金融資本を積み上げる

  • アスリートの能力は「スポーツ枠」を超えて通用する。競技で培った目標達成力・逆境耐性・チームマネジメントは、幹部人材に求められる資質と直結している
  • セカンドキャリアの「初動のポジション」が生涯資産を左右する。年収1,000万超を前提とした幹部採用は、金融資産の積み上げ期間と元本を同時に拡大させる
  • スキルの「翻訳」が採用市場での評価を決める。競技実績をビジネス語に変換し、「即戦力の幹部素材」として自分を提示できるかどうかが勝負どころ
  • 高年収を得た後の「自動化設計」が資産形成の完成形。ライフスタイル・インフレーションに飲み込まれず、先取り積立を仕組み化することで人的資本と金融資本を同時に育てる

株式会社リィの「アスリート・インパクト採用」は、元アスリートのキャリア設計における一つの実験的モデルだ。この動きが採用市場全体に広がるとすれば、アスリートの「市場価値の再定義」が本格的に始まったと言えるかもしれない。

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著者:TEKO編集部

※本記事の投資シミュレーションは概算であり、実際の運用結果を保証するものではありません。投資・税務に関する判断は、税理士・ファイナンシャルプランナー等の専門家にご相談ください。

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