「配当と比べても、不動産の方が効率がいい」20代から株を続けた40代・経営企画職ちーさんが1億円の1棟目に踏み出すまで【TEKO独占インタビュー】
ちーさん
海外輸出コース5期生 / 不動産コース
株で資産を育てた会社員が、不動産という新しい柱を選んだ
ちーさんは、40代で経営企画の仕事に就くビジネスパーソンだ。日々の業務は予実管理、つまり計画と実績のズレを見続ける仕事で、数字を読むことには慣れている。その一方で、20代から個別株を続けてきた投資家の顔も持っている。長い時間をかけて金融資産を積み上げてきた人が、なぜ今あらためて不動産という新しい柱を選んだのか。このインタビューは、その意思決定の過程を丁寧にたどるものになっている。
ちーさんは2026年3月末に、約1億900万円・新築・利回り6.5%の1棟目を取得した。融資は9割、金利は約2.2%。数字だけを並べると、いきなり大きな勝負に出たように見える。しかし本人の語り口はどこまでも落ち着いている。株で培った金融資産という土台があり、そのうえで「早く動くこと」を選んだ結果が、この1棟目だった。
ちーさんが初めて株を買ったのは20代のころだ。当時は「日経新聞を読むために株をやるといい」と言われるような空気があり、本当に少額から始めたという。その後にライブドアショックがあり、資産が目減りした時期もあった。ただ、そこで手放さず、しばらく口座を見ないまま放置していたら、気づいたときには元手が倍以上に増えていた、という経験も語られる。
選んでいたのは投資信託ではなく個別株だった。それも「この会社が潰れたら日本が危ない」と思えるような、銀行や商社といった銘柄が中心だ。派手な売買を繰り返すのではなく、腰を据えて持ち続けるスタイルで資産を育ててきた。コロナ前にはファイナンシャルプランナーと一緒にポートフォリオを見直し、日本株に偏りすぎている状態をやわらげるために、投資信託やNISA、国債へと分散も進めている。この積み重ねが、後に不動産へ踏み出すときの自己資金の源泉になった。
副業を探して入ったTEKOで、海外輸出のしんどさを越えた
ちーさんがTEKOと出会ったきっかけは、不動産ではなく副業だった。プロパー八重洲のInstagramを通じてTEKOを知り、転職での失敗などもやもやを抱えていた時期に「なんだか面白そうだ」と感じて、5期生として入会した。当初のTEKOはまだ不動産を強く押し出しておらず、ちーさんもまずは海外輸出から取り組み始めている。入会は5月末、稼働は6月から。立て続けに開かれたオフ会や女子会に顔を出し、2回目のオフ会で講師のハオと言葉を交わしたことが、後の転機につながっていく。
もっとも、海外輸出のスタートは決して順調ではなかった。最初はまったく売れず、周りが結果を出していくなかで「これは本当にしんどい」と感じるほど厳しかったという。そんな時期に、ハオや、TEKOを主宰するプロパー八重洲から「不動産をやった方がいい」と勧められる。ちーさんは、始めたばかりの海外輸出でまず一つ数字を作りたいという思いから、「海外輸出で100万円を売り上げたら不動産コースに入る」と自分で約束を決めた。そして実際に100万円を売り上げ、その約束を果たす形で不動産へと本格参入していった。
1棟目は、東京23区ではないものの東京都内の新築で、価格は約1億900万円、表面利回りは6.5%。融資は9割、金利は約2.2%という条件だった。ちーさんは、直近では97%といった高い融資比率も珍しくない状況を見ながら、それでも「早く買った方がいい」と判断している。
その背景には、自己資金を抑えるべきだという理屈は十分に理解したうえで、それを気にしすぎると結局いつまでも買えなくなってしまう、という感覚があった。積み上げてきた金融資産があるからこそ、必要なら一部を取り崩してでも動く。仲介会社にプロフィールシートを送ると「しっかり頑張ってこられましたね」と丁寧に扱われる。強い属性を持っているからこそ、最初の1棟に迷いなく踏み出せた。
目標は月100万円のキャッシュフロー、会社を辞めても困らない状態
ちーさんが当面の目標に置いているのは、月100万円のキャッシュフローだ。会社を辞めても困らない状態を作れる、というのがその理由になっている。ただ、新築中心で買い進めると自己資金が不足しやすく、3棟目以降のペースをどう設計するかが今の悩みでもある。海外輸出の入金はまだ月10万〜20万円規模で、これも拡大の余地として意識している。
この目標に対して、聞き手のハオはより保守的な視点を示す。会社を本当に辞めるなら、月100万円ではなく倍の月200万円規模を見ておいた方が安全だという考えだ。修繕や大きなトラブルが起きたとき、安定収入がない状態で月100万円だけだと精神的に厳しい。目安としては家賃年収5,000万円あたりが一つのラインになる、という具体的な数字も語られている。ちーさんの1棟目は家賃年収でおよそ700万〜800万円規模で、ここからどう積み上げていくかが次のテーマになる。
1棟目をすんなり買えたちーさんだが、その後に思わぬ変化を体感する。1棟買ったという情報を持って新しい仲介会社と話すと、次はすぐには買えないと分かられてしまい、反応が目に見えて鈍くなったのだ。それまで「会いましょう」と積極的だった相手が、急に「少し待ちましょう」という姿勢になる。属性を使う順番が大切だと言われていた意味を、ここで初めて実感したという。
金融機関についても、学びは実地で増えていった。入会当初は名前すら知らなかったセゾンファンデックスや東京協和といった金融機関の話が、2棟目を検討し始めると現実の選択肢として仲介会社から出てくるようになる。メガバンクは資産家エリア扱いの支店にあたって難しかったが、静岡銀行のフルローン案件など新しい道筋も見えてきた。加えて、現地ヒアリングの重要性、管理契約の解約に関する違約金、事業計画のPLに乗ってくるインターネット代や防犯カメラの費用まで、表面利回りだけでは見えないコストにも目が届くようになっている。こうした解像度の高さは、コミュニティで情報交換しながら、実際に1棟を持って初めて得られたものだ。
株・海外輸出・不動産、それぞれに役割を持たせる
ちーさんは、資産を一つの手段に集中させるのではなく、それぞれに役割を持たせて考えている。配当と比べたとき、不動産の方が効率がいいという判断が、その中心にある。配当利回りが3〜4%だとすると、年間100万円の配当を得るには2,000万〜2,500万円ほどの元本が必要になる。一方で不動産はレバレッジが効くため、同じ手元資金でもっと大きなキャッシュフローを狙える。この差を可視化したことが、不動産を選ぶ後押しになった。
とはいえ、株の良さも手放していない。何もしなくてよい楽さがあり、いざというときに現金化しやすい流動性もある。だからこそ、金融資産を全部崩すのではなく、半分くらいは残しておきたいという感覚を持っている。海外輸出は今のところ月10万〜20万円規模で、本人いわく「お小遣いが増えた」感覚に近い現金創出の役割だ。不動産はBSとキャッシュフローを積み上げる柱、株は流動性を確保する資産、海外輸出は生活を豊かにする現金。三つを別々の役割で持つという設計が、ちーさんの中で少しずつ固まってきている。
経営企画の仕事と、不動産の数字はよく似ている
本業で予実管理をしているちーさんにとって、不動産の数字は思いのほか読みやすいものだったという。予実管理は将来の予測を扱うため難しさがあるが、不動産投資は事業計画書が事前にほぼ固まり、想定した通りに数字が動く。自分でしっかり調査すれば大きくは外れない、という安心感が、本業で数字を扱ってきた感覚とよく噛み合っている。
さらにちーさんは、不動産を始めてから「事業者側の気持ちがすごく分かるようになった」とも語る。本業で他社の進捗を見て「手を打たなきゃいけないのに何もしないまま1週間過ぎてしまう」ような場面に、以前より深く共感できるようになった。海外輸出で味わった「なんとかして売りたい」という熱量が、不動産では「なんとかして買いたい」というマインドに転写されている。今年の目標について尋ねられると、ちーさんは「最低もう1棟、欲を言えば全部で3棟」と、現実的で前向きな数字を口にした。
TEKO読者への示唆
ちーさんの話は、もともと資産を持っていた人が不動産でさらに増やした、という成功譚としてだけ読むと本質を外してしまう。ここで見えてくるのは、金融資産という強い土台を持っていてもなお、「効率」と「レバレッジ」への納得がなければ人は次の一歩を踏み出さない、という点だ。20代からの株式投資、海外輸出のしんどさ、そして最初の1棟。その一つひとつが、次の判断の材料になっている。
もう一つ印象的なのは、ちーさんが手段を対立させず、株にも海外輸出にも不動産にもそれぞれの役割を与えている点だ。何を捨てるかではなく、何をどう組み合わせるか。その落ち着いた設計思想は、すでに一定の資産を築きながら「本業だけでは物足りない」と感じているビジネスパーソンにとって、静かな示唆になるはずだ。
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