不動産投資
不動産をTEKO視点で比較し、自分に合う一手を見極める
年収700万円から1,400万円の会社員が不動産投資を検討するとき、最大の落とし穴は「利回りの高さ」や「誰かの成功額」だけで判断してしまうことです。同じ年収帯でも、残業時間、扶養家族の有無、住宅ローンの残高、転勤リスク、学習に使える可処分時間はまったく異なります。つまり、比較すべきは他人の結果ではなく、自分の制約条件と照らした再現可能性です。
この記事では、不動産投資の判断軸を「与信・キャッシュフロー・出口・時間・リスク」の5つに分解し、TEKOメンバーの実例を交差させながら、読者が自分の状況で何から動くべきかを見極められるように整理します。表面的な比較表ではなく、各軸で「何を見落とすと痛いか」まで踏み込みます。

制度・年収・与信・時間・家族条件をばらばらに見ず、同じ意思決定テーブルに置くことが重要です。
最後は、知識の確認で止めず、自分の条件で今日決めることまで落とし込みます。
01会社員が不動産投資で最初に確認すべき5つの判断軸
不動産投資の情報は膨大ですが、会社員が最初に整理すべき判断軸は5つに絞れます。この5つを混ぜたまま物件を見始めると、営業トークに引きずられやすくなります。
| 判断軸 | 見るべきポイント | よくある見落とし |
|---|---|---|
| 与信 | 勤続年数、年収、既存借入、勤務先の信用格 | 住宅ローンとの合算で枠が圧迫される |
| キャッシュフロー | 家賃収入 − ローン返済 − 管理費 − 修繕積立 − 税金 | 表面利回りと実質CFの乖離が大きい |
| 出口戦略 | 売却時の想定価格、売却までの保有期間、譲渡税率 | 5年以内の短期譲渡は税率約39%(所得税30%+住民税9%) |
| 時間制約 | 物件調査・管理・確定申告に使える週あたりの時間 | 本業が忙しい時期に管理が回らなくなる |
| リスク許容度 | 空室率、金利上昇、修繕費の突発、災害リスク | 1室だけの集中投資でリスク分散ができない |
この5軸を自分の数字で埋めてから物件探しに入るのが、遠回りに見えて最も確実な手順です。

02与信の使い方で結果が分かれる――年収700万円台と1,400万円台の違い
与信は「借りられる額」ではなく「借りた後の生活が維持できる額」で見る必要があります。年収700万円の会社員と年収1,400万円の会社員では、金融機関から引ける融資額に2倍以上の差がつくことがありますが、それがそのまま投資の優劣を意味するわけではありません。
年収700万円台のケース
薬剤師として年収約700万円を得ながら不動産投資に踏み出したTEKOメンバーは、融資審査で5〜6回の否決を経験しています。薬剤師という安定資格を持っていても、勤務形態がパート併用であったり、勤務先の規模が中小であったりすると、金融機関の評価は想像以上に厳しくなります。
このメンバーが最終的に融資を獲得できた背景には、副業で月25万円の実績を積み上げていたことと、配偶者の理解・協力があったことが挙げられます。つまり、年収700万円台で融資を通すには、「本業の安定性」だけでなく「副収入の実績」と「家族の合意」という3点セットが求められるケースが多いのです。

年収1,400万円台のケース
半導体メーカーで装置営業を担い、20代後半で年収1,400万円(35歳時見込み1,700万円)を得ている会社員の場合、与信枠は大きくなります。しかし、高年収であるほど「動かなくても生活が破綻しない」ため、判断を先延ばしにしやすい傾向があります。
この層が注意すべきは、与信の「鮮度」です。年収が高くても、転職直後は勤続年数がリセットされ、融資条件が悪化します。また、35歳を超えると返済期間の上限が短くなり、月々の返済額が上がります。与信が最も有利なタイミングは、勤続3年以上かつ年収がピークに向かう20代後半〜30代前半の数年間に集中します。
REAL ESTATE LENS
物件価格・融資・出口を同時に見る。
価格
高止まり前提
安値待ちではなく、今の価格でも成立する条件だけを見る。
融資
属性で二極化
同じ物件でも、年収・勤務先・自己資金で金利と期間が変わる。
出口
売却時を先に置く
表面利回りではなく、残債・税・修繕後の手残りを見る。
読む順番: 価格の高さ → 借りられる条件 → 出口後も残るか
03キャッシュフローの現実――表面利回りと手残りの乖離
不動産投資の広告で目にする「利回り8%」「利回り10%」は、ほぼすべてが表面利回り(年間家賃収入 ÷ 物件価格 × 100)です。実際の手残り(ネットCF)を計算するには、ここからローン返済、管理費、修繕積立金、固定資産税、不動産取得税、火災保険料、空室損失を引く必要があります。
表面利回りと実質CFの差を見る計算例
| 項目 | 表面利回り8%の物件(価格2,000万円) |
|---|---|
| 年間家賃収入 | 160万円 |
| ローン返済(金利2.0%・35年) | 約80万円/年 |
| 管理費・修繕積立 | 約24万円/年(月2万円) |
| 固定資産税 | 約10万円/年 |
| 火災保険・その他 | 約5万円/年 |
| 空室損失(稼働率95%想定) | ▲8万円/年 |
| 実質手残り(税引前) | 約33万円/年(月約2.8万円) |
| 実質利回り | 約1.65% |
表面利回り8%が実質1.65%まで下がるのは珍しいことではありません。ワンルームマンション投資を3年前に始め、不動産取得税・固定資産税・金利上昇の負担を実体験したTEKOメンバーは、直近で損切り売却を進行しています。このメンバーの教訓は「買う前のCFシミュレーションで、税金と金利上昇シナリオを甘く見積もっていた」という点に集約されます。

月間CF200万円の裏にある構造
一方、家賃年収1億円超・月間キャッシュフロー200万円を実現しているメンバーもいます。34歳で元三大海運会社に勤め、28歳時点で年収1,000万円を得ていた人物が、福岡へのUターン後に年収500万円へ下がりながらも不動産投資を本格化させたケースです。
ここで重要なのは、「月間CF200万円」という数字だけを見ないことです。この規模のCFを生むには、複数棟の保有、法人化、税務戦略、管理会社との関係構築、金融機関との継続的な取引実績が必要です。年収500万円台からこの水準に到達するまでに、複数年の助走期間と、その間のCFがマイナスになるリスクを引き受けています。
04出口戦略を買う前に決める――売却・保有・組み替えの3パターン
不動産は「買って終わり」ではなく、「いつ・いくらで・誰に売るか」まで含めて1つの投資判断です。出口戦略を持たずに買うと、想定外の修繕費や金利上昇が発生したときに、損切りか塩漬けかの二択に追い込まれます。
| 出口パターン | 想定保有期間 | メリット | リスク |
|---|---|---|---|
| 短期売却(5年以内) | 1〜5年 | 値上がり益を早期に確定 | 短期譲渡所得税率約39%が重い |
| 中長期保有(5〜15年) | 5〜15年 | 長期譲渡税率約20%、CF蓄積 | 築年数による家賃下落・修繕増加 |
| 組み替え(売却→再投資) | 柔軟 | ポートフォリオの最適化 | 売却タイミングと再投資先の同時判断が難しい |
TEKOの不動産コースでは、物件選定の段階で「5年後・10年後・15年後に売却する場合のシミュレーション」を並べて比較する手法を重視しています。買う前に出口を3パターン描けない物件は、そもそも検討対象から外すという判断基準です。

05本業との両立――週何時間を不動産に使えるか
不動産投資は「不労所得」と紹介されることがありますが、実際には物件調査、融資交渉、管理会社とのやり取り、確定申告、修繕対応など、一定の時間を継続的に使います。本業が激務の会社員にとって、この時間コストを甘く見ると、物件管理が放置状態になり、空室や修繕の対応が遅れて損失が拡大します。
職種別の時間制約と対策
ゼネコンの現場監督として年間の半分近くを工事事務所で寝泊まりしていた29歳のTEKOメンバーは、激務を経て定時出社・定時退社のサイクルを自力で作り上げた後に副業を開始しています。年収700〜800万円を得ながらも、「この働き方を今後も続けるのか」という問いが投資を始めるきっかけでした。このメンバーはFPと宅建の資格を取得し、不動産投資の書籍を70〜100冊読破してから実際の行動に移しています。
一方、鉄道会社で電気系技術職に就く29歳のメンバーは、全国転勤がなく住宅補助も手厚い環境にあります。可処分時間は比較的確保しやすい職種ですが、安定しているからこそ「このまま同じ日常を繰り返すだけでいいのか」という問いが、次の一手を考えるきっかけになっています。海外輸出で初月12万円の実績を出した後、不動産コースへの参加を「必ずやる予定」と明言しています。

時間投資の目安
| フェーズ | 必要な時間目安(週あたり) | 主な作業内容 |
|---|---|---|
| 学習期(0〜6ヶ月) | 5〜10時間 | 書籍、セミナー、物件情報の収集、基礎知識の習得 |
| 物件選定期(3〜12ヶ月) | 3〜8時間 | 物件調査、現地視察、融資打診、シミュレーション作成 |
| 保有運用期(継続) | 1〜3時間 | 管理会社対応、収支確認、確定申告準備、修繕判断 |
| 売却・組み替え期 | 3〜5時間 | 売却査定、買い替え先の調査、税務シミュレーション |
本業の繁忙期と重なる時期を想定して、管理会社への委託範囲をあらかじめ決めておくことが、両立の鍵になります。
06海外輸出と不動産の組み合わせ――2つの収入軸を持つ意味
TEKOメンバーの中には、海外輸出と不動産投資の両方に取り組む人が少なくありません。これは「どちらが儲かるか」の二択ではなく、「短期CFを海外輸出で作り、長期資産を不動産で積む」という時間軸の分散戦略です。
2軸ポートフォリオの構造
海外輸出は、出品から売上回収までのサイクルが短く(通常2〜4週間)、月単位でCFが見えます。一方、不動産投資は初期投資が大きく、CFが安定するまでに数ヶ月〜数年かかりますが、一度軌道に乗ると管理工数が比較的少なく、資産性があります。
薬剤師のTEKOメンバー(34歳・TEKO一期生)は、海外輸出で月利が数千円から始まり、1〜2万円、10万円、30〜40万円、40〜50万円、60万円、100万円超、150万円水準へと約1年4ヶ月で成長させています。1日の副業稼働は最大2時間、外注として母にも1日5品の出品を依頼し、合計15品/日の体制を構築しました。この副業CFの実績が、不動産融資の審査でプラスに働いています。

なぜ「順番」が重要か
不動産を先に買うと、ローン返済が始まった時点で毎月の固定支出が増えます。その状態で海外輸出を始めても、CFがプラスになるまでの数ヶ月間は精神的な余裕がなくなります。逆に、海外輸出で月10万〜30万円のCFを先に確保しておけば、不動産のローン返済を副業収入で吸収でき、本業の給与には手をつけずに済みます。
PROPERTY FILTER
買う前に通す条件と、保留する条件を分ける。
買う前に通す
- 金利上昇後も手残りが残る
- 空室・修繕を見込んでも耐える
- 出口価格を保守的に置ける
保留する
- 表面利回りだけで見ている
- 自己資金の余白がない
- 管理・修繕の前提が曖昧
不動産コースで見るべきなのは、買えるかではなく、保有中と売却時に崩れないか。
07不動産デベロッパーの視点から見る「買う側」の盲点
TEKOメンバーの中には、本業で不動産デベロッパーの開発職に就いている20代もいます。用地情報の収集から収支の策定、プランニング、ゼネコンとの工事費交渉、進捗管理までを一貫して担い、年収は20代で900万円弱に達しています。通常は仕入れと開発で分業される業務を、前職時代から自ら志願して兼任してきた人物です。
この「売る側・作る側」の視点を持つメンバーが指摘するのは、買う側が見落としがちな3つのポイントです。
買う側が見落としやすい3つの盲点
08独学2年で見えたこと――書籍70冊と資格取得の先にある判断力
不動産投資を始める前に「まず勉強」と考える人は多いですが、どこまで勉強すれば「十分」と言えるのかは明確な基準がありません。ゼネコン現場監督のTEKOメンバー(29歳・年収700〜800万円)は、FPと宅建の2資格を取得し、不動産投資に関する書籍を70〜100冊読破してから行動に移しています。
独学で得られるものと得られないもの
基礎用語・制度理解は、独学だけでは得にくいもの: 融資審査の実際の通し方。
利回り計算・CF分析の手法は、独学だけでは得にくいもの: 金融機関ごとの審査基準の違い。
リスクの種類と対策の知識は、独学だけでは得にくいもの: 管理会社の選び方と交渉術。
法律・税制の基本は、独学だけでは得にくいもの: 物件の現地調査で見るべきポイント。
市場動向の大局観は、独学だけでは得にくいもの: 先に経験した人の失敗パターン。
このメンバーが独学に2年をかけた後にTEKOの不動産コースに参加した理由は、「知識はあるが、実際に動いた人の判断プロセスが見えなかった」という点にあります。書籍には「何をすべきか」は書いてありますが、「どの順番で、何を捨てて、何を優先したか」という意思決定の過程は、実践者との対話でしか得られません。
09失敗事例から学ぶ――ワンルーム投資の損切りと教訓
成功事例だけを見て判断すると、リスクの実態が見えません。TEKOメンバーの中にも、ワンルームマンション投資を3年前に始め、不動産取得税・固定資産税・金利上昇の三重の負担を経験し、直近で損切り売却を進行中のケースがあります。
このケースから抽出できる教訓
- —不動産取得税のインパクト: 物件取得後に課税される不動産取得税は、物件価格の3〜4%に相当し、購入初年度のCFを大きく圧迫します。シミュレーションに含めていないと、初年度から赤字になる可能性があります。
- —固定資産税の継続負担: 毎年の固定資産税は、物件の評価額に基づいて課税されます。築年数が浅い物件ほど評価額が高く、税額も重くなります。
- —金利上昇リスク: 変動金利でローンを組んだ場合、金利が0.5%上昇するだけで月々の返済額が数千円〜1万円以上増加することがあります。35年ローンの場合、0.5%の金利上昇は総返済額で数十万円〜100万円以上の差になります。
このメンバーは現在、海外輸出で月利150万円水準のCFを確保した上で不動産コースに参加し、「次はワンルーム1室の集中投資ではなく、ポートフォリオとしての不動産」を目指しています。失敗から学び、戦略を修正して再挑戦するプロセスそのものが、実践的な投資判断力の形成に直結しています。
10自分に合う一手を見極めるためのチェックリスト
ここまでの判断軸を、読者自身の状況に当てはめるためのチェックリストを用意しました。すべてに「はい」と答える必要はありません。「いいえ」が多い項目こそ、行動の前に情報収集や相談が必要な領域です。
投資開始前の自己診断
- —自分の年収、手取り、毎月の固定支出、貯蓄額を正確に把握している
- —住宅ローンやカーローンなど、既存の借入総額を把握している
- —勤務先の勤続年数が3年以上ある(または転職予定がない)
- —配偶者やパートナーと、投資に関する方針を共有・合意している
- —今後3年間の働き方(転勤・転職・独立の可能性)を想定している
- —週に3〜5時間を学習・調査に充てられる可処分時間がある
- —表面利回りと実質CFの違いを説明できる
- —短期譲渡(5年以内)の税率が約39%であることを理解している
- —物件を買う前に、3パターン以上の出口シミュレーションを作る準備がある
- —副業や他の収入源で、月10万円以上のCFを確保している(またはその見込みがある)
11近い属性のメンバー事例から判断材料を得る
不動産投資の判断で最も参考になるのは、「自分に近い条件の人が、何を考え、どこで迷い、どう動いたか」です。年収額だけでなく、職種、年齢、家族構成、副業経験、学習スタイルまで含めて比較すると、自分が詰まりそうなポイントを先に把握できます。
34歳・TEKO一期生は、年収: 約700万円、職種: 薬剤師、不動産との関わり方: 融資5〜6回否決→副業実績で突破、海外輸出月利150万円+不動産コース参加中。
29歳・ゼネコンは、年収: 700〜800万円、職種: 現場監督、不動産との関わり方: FP・宅建取得、書籍70〜100冊読破後に不動産コース参加。
20代後半は、年収: 1,400万円、職種: 半導体装置営業、不動産との関わり方: 高与信を活かした不動産投資を検討中、海外物販と並行。
20代・デベロッパーは、年収: 約900万円、職種: 開発職、不動産との関わり方: 本業で用地仕入れ〜開発を担当、「作る側」の知見を投資に転用。
29歳・鉄道会社は、年収: 非公開、職種: 電気系技術職、不動産との関わり方: 海外輸出で初月12万円の実績後、不動産コース参加予定。
自分に近い属性のメンバーがいれば、その人がどの段階で何に迷ったかを知ることが、書籍100冊分の知識より実務的な判断材料になることがあります。
12次の一手の決め方――今すぐ動く領域と、まだ動かない領域を分ける
この記事で整理した判断軸を、最後に「行動の優先順位」に落とし込みます。
今すぐやること(所要時間: 1〜2時間)
- 自分の年収、手取り、毎月の固定支出、貯蓄額、既存借入を1枚の紙に書き出す
- 今後3年間の働き方の想定(転職・転勤・昇進・独立)を書き出す
- 配偶者やパートナーがいる場合、投資に関する会話を1回行う
1〜2週間以内にやること
- この記事の5つの判断軸に、自分の数字を当てはめる
- 近い属性のメンバー事例を3件以上読み、自分との違いと共通点を整理する
- 副業CFの現状を確認し、不動産融資の審査に活かせる実績があるか判断する
相談してから動くこと
具体的な物件検討やCFシミュレーションは、自分の条件を整理してから。
面談では「いくら儲かるか」ではなく「自分の条件で何が現実的か」を確認する。
不動産投資は、情報を集めるだけでは前に進みません。しかし、情報が不足したまま動くと、修正コストが大きくなります。「知ってから動く」と「動きながら学ぶ」のバランスを、自分の年収・時間・リスク許容度で決めることが、最初の一手を見極める本質です。
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