30代年収1050万円大手化学メーカー「会社の看板を外しても通用するスキルが欲しい」松本さんが語る本業×複業のパラレルキャリア戦略とは【TEKO独占インタビュー】
松本さん
海外輸出コース1期生
年収1050万円の「普通」に感じた違和感
松本さんは30代前半で大手化学メーカーの営業職に就いている。福利厚生を含めた年収は約1050万円。業界でも上位に位置する待遇だが、東京で暮らす日々は「別に普通だな」という感覚だったという。体育会系で鍛えた学生時代を経て、辛いこと9割・楽しいこと1割という厳しい環境で仕事を回してきた。業務を効率的にこなせるようになり時間的な余裕が生まれた頃、先輩たちの給与を見て本業の上限がうっすらと見えてきた。
将来の不確実さに加え、不妊治療の費用負担が重くのしかかっていた。自分ではコントロールできない世の中の流れに対して、会社の看板を外しても通用する力を持ちたい。その思いが、副業という選択肢を現実のものに変えた。たまたまSNSで目にした海外輸出に関する長文の発信を1〜2時間かけて読み込み、「この人は本物だ」と感じたことが入口だった。海外から収益を得られること、無在庫でリスクが低いこと、市場が伸びていること、そしてちょうど一期生の募集中だったこと。4つの条件が揃い、「騙されたとしても100万円程度なら先行投資だ」と腹を決めた。
初代サスペンド組からの再起
参加してすぐ、松本さんはアカウント停止という壁にぶつかった。それも2回。いわゆる「初代サスペンド組」だ。普通ならそこで心が折れてもおかしくないが、体育会系で培った粘り強さが支えになった。講師陣の迅速なサポートを受けながら再起を果たし、1年目は月10万〜20万円の収益を安定させるところまで持っていった。派手な数字ではないが、停止を2度経験した後の立て直しとしては着実な歩みだった。
2年目に入ると状況が一変する。月平均で40万〜50万円、調子の良い月にはスポットで80万円に達することもあった。本業の月収とほぼ同額の副収入。「自分の給料が丸ごと2倍入ってくるようなイメージ」と松本さんは振り返る。過去に自己投資の経験がほとんどなかった人間が、知っている人に聞くのが一番早いという判断ひとつで、2年足らずでここまで来た。
妻との共闘が生んだ共通言語
最初は完全にひとりで取り組んでいた。梱包も出品も、すべて自分の手で回していた。しかし結果が数字として見え始めると、妻の反応が変わった。徐々に触発され、積極的に手伝ってくれるようになったという。今では梱包作業を中心に「なくてはならない存在」として共闘体制を築いている。夫婦の会話に海外輸出の話題が自然と混ざるようになり、事業がふたりの共通言語になった。
さらに、妻の先輩を外注として迎え入れた経験が、松本さんの内面に変化をもたらした。支払額は大きくなくても、その人の生活の一部を支えているという事実が責任感を芽生えさせた。会社員としてずっと「もらう側」だった自分が、初めて「生み出して回す側」に立った。お金の流れを自分でつくるとはどういうことか。その問いに向き合う日々が、サラリーマンだけでは得られなかった事業者としての視点を育てている。
看板を外しても残るもの
化学メーカーの看板がいきなり剥がされたとしたら、2年前の自分なら不安しかなかっただろう。だが今は違う。「まだまだ」と謙遜しつつも、自分の力で稼げるという実感は確実についた。それは収入の金額以上に、精神的な安定につながっている。会社に依存しきらない状態を自分でつくれたことが、日々の仕事にも余裕をもたらしている。
松本さんは今すぐ独立するつもりはない。会社のキャリアと事業を並行して走らせるパラレルキャリアこそが、自分にとっての安定だと考えている。駐在で中国に行くルートもあるが、今は日本で副業の軸を固めたいという意向が強い。海外輸出以外にも収入源を増やし、分散化によるリスクヘッジを進めていく構えだ。満足に近い形になってきている、と本人は静かに語る。
壁の先にしか景色はない
松本さんがコミュニティに感じている価値は明快だ。ひとつは講師陣のレスポンスの速さと情報の鮮度。急な関税変更のような環境激変に対して、ひとりで対処していたら致命的だったと振り返る。もうひとつはメンバー同士の無償のギブ精神。調べれば分からないことはないと言えるほどの相互支援が、講師陣のつくったカルチャーの上に自然と根付いている。
これから副業に踏み出すか迷っている人に向けて、松本さんの言葉はシンプルだ。「悩んでいるなら1回やってみた方がいい」。やってみれば壁にぶつかる。その壁をどう乗り越えるかを考えること自体が成長になる。何も動かなければ何も始まらない。アカウント停止を2度乗り越え、本業と同等の副収入をつくり、妻と共に事業を回すところまで来た人間の言葉には、静かな説得力がある。
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